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DX推進はなぜ必要?推進における課題や注意すべきポイントを紹介

コロナ禍をきっかけとして、多くの企業が事業継続リスクを抱えました。
企業が競争力を維持するためには、新しいデータやデジタル技術を取り入れ、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する必要があります。

本記事では、DXを推進すべき理由や現状の課題、注意したいポイントを解説します。

DX推進とは

DX推進とは、新たなデジタルツールを取り入れ、ビジネスモデルを変革する取り組みを指します。
DXの定義や混同されやすいIT化との違いを解説します。

DX 推進 イラスト

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」を指します。[注1]
つまり、ただデジタル部門を設置するだけでなく、ビジネス変革を視野に入れてデジタル技術を活用するのがDXです。

[注1]経済産業省「DX推進指標」とそのガイダンス」
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf(参照 2022-10-13)

IT化との違い

IT化とは、コンピュータやネットワークなどのITテクノロジーを活用し、業務プロセスをシステム化することを意味します。IT化とDXの違いは、手段と目的の違いです。DXの目的は業務プロセスのシステム化ではなく、業務プロセスのシステム化を通じてビジネス変革を生み出す点にあります。

DX推進が始まった背景

なぜDX推進に向けた取り組みが始まったのでしょうか。経済産業省のDXレポートで提起された2025年の崖や、平成30年12月に発表されたDX推進ガイドラインの影響を解説します。

2025年の崖

2025年の崖は、経済産業省が平成30年9月に発表したDXレポートで提起した問題です。老朽化やブラックボックス化が進み、保守運用にコストがかかるシステムのことをレガシーシステムと呼びます。経済産業省によると、レガシーシステムを放置し、DXを実現しなかった場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が発生する可能性があると言われています。[注2]

▼経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

[注2]経済産業省.「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」. https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf (参照 2022-10-13)

DX推進ガイドライン

経済産業省はDXの推進を後押しするため、平成30年12月にDX推進ガイドラインを策定しました。DX推進ガイドラインでは、「DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」の2点に分け、DXの推進に必要なアプローチやアクションを示しています。また、経済産業省のホームページでは、DXに関連したページが分かりやすくまとめられています。

また、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営方針の策定・公表など、企業経営者に求められる対応に関しても「デジタルガバナンス・コード」として取りまとめられているので併せてご確認ください。

▼経済産業省「DX推進ガイドライン」
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12109574/www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf 

▼経済産業省「デジタルガバナンス・コード」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html

DX推進のメリット

DXを推進するメリットは大きく次の4つです。

従業員の生産性向上
BCP対策によって緊急時でも事業を継続可能
新たな事業の開拓
レガシーシステムからの脱却でコストを削減

生産性の向上

DXを推進するメリットのひとつは、生産性の向上です。デジタルツールを導入し、業務プロセスの無駄を省くことで、従業員の業務負担を軽減できます。少子高齢化が進行し、若手人材の確保が将来的に難しくなることが懸念される中で、生産性の向上は重要な経営課題です。

BCP充実の実現

DXを推進すれば、同時並行でBCP対策を充実させることが可能です。BCP対策とは、地震をはじめとした災害が発生した際やウイルスが感染拡大した際であっても事業を継続するための取り組みを指します。例えば、テレワークを全社的に導入すれば、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを下げることができます。また、基幹システムのクラウド化を進め、業務データをクラウド上に保管すれば、自然災害やテロ攻撃の被害に遭った際に大切な情報資産を守ることができます。

このような緊急事態への対策を講じておくことで、万が一のことが起きた際であっても事業を進められるというメリットにつながります。

新たな事業の開拓

DXを推進することで新たな事業につながる可能性があります。DXによって最新のデジタル技術を活用できるようになったことで、それまではできなかった分野への進出が期待できるでしょう。

レガシーシステムからの脱却

老朽化、ブラックボックス化したレガシーシステムをそのままにしていると、保守運用コストがかさんでしまいます。DXによってレガシーシステムから脱却することで、継続して発生する保守運用システムのコストを削減できます。

DX推進における課題

DXの推進にあたって、解決しなければならない課題は3つです。1つ目は経済産業省のDXレポートの通り、既存システムのブラックボックス化を防ぎ、必要に応じて刷新しなければならないこと。2つ目はDXの司令塔を担うデジタル人材の発掘、3つ目はIT投資コストの捻出がDX推進の課題となります。

既存システムのブラックボックス化

繰り返しになりますが、既存システムのブラックボックス化は克服しなければならない課題のひとつです。もしブラックボックス化を放置した場合、以下の3つのデメリットがあります。[注3]

市場の変化に対応して、データを活用しきれないことによってビジネスモデルを変更が難しくデジタル競争に対応できない
システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上をしめるようになる(技術的負債)
保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失等のリスクが高まる

[注3]経済産業省.「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」. https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf (参照 2022-10-13)

DX推進を行う人材の確保

DX推進を担う人材には、仕事の進め方や考え方、コミュニケーション能力といったソフトスキルとプログラミングスキルやデータ分析といったハードスキルが求められます。DXはデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルの変革を目指す取り組みです。そのため、デジタル技術に特化していても、デジタルで何ができるかを理解して新たなビジネスを創造するためのソフトスキルがなければDX推進に適した人材とはいえないでしょう。

このような人材の確保が難しい場合は、外部人材の活用も検討しましょう。

DX投資コスト

DXを推進するためには、デジタルツールの導入や、デジタル人材の確保など、一定の初期投資が求められます。DXの推進に必要なコストだけでなく、新たなビジネスモデルが生み出す収益や、デジタル競争に敗れた場合のリスクを考慮し、費用対効果を計算しましょう。

DXを推進する5つのステップ

DXを推進するためのステップは5つに分けられます。それぞれのポイントや注意点を解説します。

1.DX推進の目的の明確化
2.全社に向けたDX推進のビジョン共有
3. DX推進に向けた計画立案
4. DX推進体制の構築・人材の採用・育成 
5.計画の実行と改善

1.DX推進の目的の明確化

まずはDXを推進する目的を明確化しましょう。よくあるDXの失敗事例が、デジタルツールの導入自体が目的となってしまい、ビジネス変革につながらないケースです。データやデジタル技術を活用し、どのような価値を創出するのかをじっくりと検討しましょう。

2.全社に向けたDX推進のビジョン共有

DXのビジョンを明確化したら、経営者やマネジメント層だけでなく、全社員に共有することが大切です。DXについて学んでもらうため、社員向けのDX研修の実施も検討しましょう。

3.DX推進に向けた計画立案

DX推進体制を構築したら、具体的なDX戦略を立案していきます。まずは現状のIT資産を分析し、DXの推進に必要なITシステムの基盤づくりに取り組みましょう。ITシステムに求められる条件は以下の3点です。[注5]

データをリアルタイム等使いたい形で使えるか
変化に迅速に対応できるデリバリースピードを実現できるか
データを、部門を超えて全社最適で活用できるか

[注5]経済産業省「DX推進指標」とそのガイダンス」
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf(参照 2022-10-13)

4.DX推進体制の構築・人材の採用・育成

次にデータやデジタル技術の活用をサポートするDX推進部門の設置を検討しましょう。DX推進に向けた準備を各事業部門のみで行う場合、現場社員の業務負担が増加します。同時に、DX推進体制づくりに欠かせないデジタル人材の採用や育成も実施しましょう。

5.計画の実行と改善

デジタル技術は日々進歩をつづけています。ITシステムの刷新後に新たなデジタル技術が登場した場合は、改修や機能追加が必要かどうか検討しましょう。

DX推進において注意すべきポイント

DXを推進する際の注意点は4つあります。部下に任せきりにするのではなく、経営者自らがDXに関与し、経営戦略やビジョンを共有することが大切です。また、DXの基盤となるITシステムの構築や、DXの中心的役割を果たすデジタル人材の確保にも注力しましょう。

企業トップ自ら推進を行う

DXを根付かせるには、企業のトップが自らコミットメントすることが大切です。とくにDX推進への抵抗が大きい場合や、DXの理念やビジョンがうまく伝わっていない場合は、企業トップが直接メッセージを発信しましょう。

経営戦略やビジョンとの連動

DXを推進する目的は、経営戦略やビジョンと連動したものである必要があります。経済産業省のDX推進ガイドラインの通り、「どのようなビジネスモデルを構築すべきかについての経営戦略やビジョンが提示できているか」を慎重に検討しながら、DXを推進することが大切です。[注6]

[注6]経済産業省.「DX推進ガイドライン」. https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12109574/www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf (参照 2022-10-13)

基盤となるITシステムの構築

ブラックボックス化したレガシーシステムを刷新し、DXの基盤となるITシステムを構築しましょう。既存システムが複雑化している場合は、不要なものを廃棄し、システムを軽量化することも大切です。

DX人材の確保

最後に、DXに欠かせないデジタル人材の確保が必要です。DX分野の知見やノウハウを持つ人材はもちろん、アジャイル開発が可能な人材もDXの推進に役立ちます。また、デジタル人材を育成する場合、経済産業省の第四次産業革命スキル習得講座認定制度を利用する方法もあります。

DX推進をサポートするツール

DX推進をサポートするツール様々ありますが、なかでもタレントマネジメントシステム、RPAシステム、BIツールを例としてあげます。それぞれの特徴や利用シーンをご紹介します。

タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントシステムは、従業員の情報をデータベース化し、一元管理するためのツールです。従業員一人ひとりの能力やスキルを可視化できるため、適切に人材配置するのに役立ちます。人事部門の効率化だけでなく、DXに欠かせないデジタル人材の発掘や育成にも適しています。

RPAシステム

RPA(Robotic Process Automation)は、AIやロボティクスを活用し、事務作業などの定型業務を自動化するためのツールです。これまで手作業で行っていた業務の一部をRPAシステムで代替することで、従業員の業務負担を軽減し、よりコアな業務に注力してもらえます。

BIツール

BI(Business Intelligence)は、社内のデータを横断的に検索し、情報資源として活かすためのツールです。データ人材が不足している企業であっても、BIツールを導入すれば、膨大なデータをすばやく処理できます。たとえば、DXの実現に向けた戦略立案など、重要な意思決定の補助としてBIツールが役立ちます。

【まとめ】

DX推進には段階的な準備が大切

経済産業省がDXレポートを発表し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する機運が高まりました。DXを推進することで、生産性の向上や、BCP(事業継続計画)対策の充実といったメリットが得られます。

DXの推進で失敗しないため、経済産業省のDX推進ガイドラインを参考にしながら、段階的にDXの準備を進めましょう。

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